After MBA | Vol.1 | 1期生 松本和哉

1997年4月、日本武道館での入学式に出席。早いもので、あれから4年を超える月日が流れた。

希望に胸を膨らませて入学した法政ビジネススクールでは、想像以上にハードな生活が待ち受けていた。 2年に及ぶ大学院在籍中は、社会人大学院生として学業、仕事、家庭の両立という難題を絶えず抱え悪戦苦闘の毎日であった。残業する同僚達の視線を気にしながら、職場を後にする後ろめたさ。また休日にも関わらず、スキンシップを最も必要とする年齢の2人の子供を遊びにも連れて行ってやれない辛さetc。「そこまでして、何を得るんだ?」「MBAを取っても、そのためにもっと大切なものを犠牲にしてもいいのか」という疑問が定期的に湧いてきた。1999年3月、入学式と同じく日本武道館での学位授与式に出席。その日、無事MBAを手にすることができた私は、長く苦しいマラソンレースを完走した選手のような達成感と爽快感を味わうことができた。某マラソン選手のように「自分で自分を褒めてやりたい気分」になった。今でもあの2年間は私の人生の中で、最も頑張った2年間であったと思う。そして、その経験は今、間違いなく自分にとっての自信と誇りになっている。

現在、私はユニセフ(国連児童基金)の国内委員会に勤務している。先日、大阪の小学校で8人の子供達が殺傷されるという痛ましい事件があった。同時に現在、世界では毎日約3万人、年間約1100万人もの子供達が予防可能な原因で死亡しているという悲しい現実がある。我々はその子供達の救済と、彼等の輝く未来のために日々の業務を遂行している。その中で私は企業のコーズ・リレイティッド・マーケティングを通した、ユニセフとのタイアップ企画を促進する業務を担当している。端的に言えば、企業の通常の広報・販促活動を通じて企業も利益を上げ、イメージアップ等のメリットを得ながら、社会貢献活動ができるマーケティング手法を通したタイアップ企画の 促進である。大学院在籍中、私の研究テーマであった「寄付行動と寄付獲得のマーケティング」に関する既存研究や文献が少なく大変苦労した。実務においても特に日本においては、前述のマーケティング手法をNPO側から促進する例は皆無に近く、フロンティア的立場で試行錯誤を繰り返しながら実践している毎日である。

法政で学んだ2年間。それは、私に高度なマーケティング理論と情熱的で温情厚い田中洋教授をはじめとする恩師の先生方、そして多くの学友達との素晴らしい出会いを与えてくれた輝く2年間であった。それは私にとっての人生の宝である。

「よき師 よき友 つどい 結べり
法政 おお わが母校
法政 おお わが母校」
(法政大学校歌)

After MBA | Vol.2 | 2期生 長崎秀俊

中央大学名誉教授。事業構想大学大学院客員教授、BBT大学院客員教授。日本マーケティング学会会長、日本消費者行動研究学会会長などを歴任。田中洋教授オフィシャルサイト Marketing, Brand, Advertising