松田 智恵子(まつだ・ちえこ)

法政大学大学院で学んだこと:
多すぎて書けません。先生方からだけではなくクラスメートからも多くを学びました。(裏わざとして授業の発表日に体調の悪いふりをして会社を定時に退社する方法も身につけました)
法政大学大学院に入ろう思った理由:
マーケティングを勉強したかったから
法政大学大学院について:
講義だけでなくワークショップやグループワークなど参加型の物が多く、実践的でよかった。
今後、何をしたいか:
大学院で学んだことを仕事に生かすとともに、細々とでも勉強は続けていきたい(しかし今はとりあえず、宿題のない日々を楽しみたい)
法政大学大学院を目指す人に:
生の厳しく親身な指導とともに、すばらしい人脈を手にいれることができ、二年間の歳月は人生の中で最も有意義な日々のひとつとなるでしょう。

修士論文

日本的ブランドパーソナリティ
―― J.Aakerのブランドパーソナリティとの比較 ――

サマリー(論文要旨):
本研究は、日本におけるブランドパーソナリティの構造を明確にし、その尺度開発を行うことを目的としている。
J.Aaker以前の研究では、人とブランドのパーソナリティの整合性を検証する研究は行われてこなかったが、J.Aakerは”Big Five”とよばれる人のパーソナリティ次元と同様に、ブランドパーソナリティも5つの次元「誠実因子(Sincerity)」「刺激因子 (Excitement)」「能力因子(Competence)」「洗練因子(Sophistication)」「素朴因子(Ruggedness)」があること、またブランドと人のパーソナリティ構造の相違を確認した。
しかしながら、これまでのブランドパーソナリティ研究では、抽出された5次元の異文化での適合性については検証されていない。また、そのブランドがグローバルに展開されているブランドか、ローカル展開のブランドかによって、ブランドのパーソナリティに違いがみられるのかという観点での分析も行われていない。
以上を踏まえ、パーソナリティ特性118語のリストアップ、21ブランドの選択を経て、大学生157名を対象として調査を行った。調査は、ブランドに対する各パーソナリティ特性のあてはまり度を質問紙により5段階尺度で評定させた。
その結果、「能力因子」「元気因子」「内気因子」「洗練因子」「男性的因子」の5つの因子とそれを構成するパーソナリティ特性が抽出された。5因子の累積寄与率は51.8%であった。信頼性検討のためにクロンバックのα係数を用い、ほぼ十分な信頼度係数(0.64~0.89)を得ることが出来た。
次元の普遍性を確認するために、社会人48名を対象に補足調査を行った。次元の順序の入れ替わりやパーソナリティ特性の負荷の違いがみられたものの、学生調査に類似した5次元が確認された。
抽出された次元をJ.Aakerの次元と比較すると、1)「内気因子」の出現 2) 誠実さなどアジア圏では対人的要素が強い項目が「能力因子」に含まれていることがわかり、日本独自のパーソナリティ次元と特性の存在が明らかになった。
また、「内気因子」に属するパーソナリティ特性はローカルブランドに強くあらわれ、「能力因子」「元気因子」「内気因子」を軸にプロットすると、主なグローバルブランドとローカルブランドは軸の正反対にポジショニングされることも確認された。

中央大学名誉教授。事業構想大学大学院客員教授、BBT大学院客員教授。日本マーケティング学会会長、日本消費者行動研究学会会長などを歴任。田中洋教授オフィシャルサイト Marketing, Brand, Advertising