山本 俊哉(やまもと・としや)

仕事:
パイオニア(株)
法政大学大学院で学んだこと:
1.自分の考え方や仕事の進め方がいかに独り善がりであったかという事。
2.色々な分野の人と親しく付き合うことで得られた暗黙知。
3.異業種で同じ仕事をしている人とは共感性が高いという事。
法政大学大学院に入ろう思った理由:
マーケティングコースがあり有名な先生が多く在籍していたから。でも本当は お正月に「EXECTIVE」という雑誌をみて、その時点で受験に間に合ったから。
法政大学大学院について:
交通の便もよく設備も充実し学費も安いと思う。
今後、何をしたいか:
興味の持てる本を時間に追われずじっくり読みたい。
法政大学大学院を目指す人に:
時間とお金を自分に投資してみませんか? 自分にプレッシャーを与える事で道は開けます。

修士論文

「ラジオショッピングにおける説得効果とその規定要因について」

サマリー(論文要旨):
近年マスメディアを用いた一般家庭向けの通信販売は著しい成長を示している。本研究はマスメディアを用いた通 信販売の中で、特に商品の映像情報なしで販売が行われているラジオショッピングに着目した。ラジオショッピングはその媒体であるラジオの特徴でもある音声情報のみを用いた説得によって消費者の態度変容を起こさせて販売活動を成立させている。
本研究ではラジオショッピングの持つ説得効果とそれをもたらす規定要因を探索する為に実験室における集合実験という実証的なアプローチを採用した。本研究においては、実際にラジオショッピングを10年前から開始し、その後めざましい成長を続けている通 販企業である「株式会社ジャパネットたかた」が実際に放送で使用したラジオショッピング番組を研究素材として取り上げ、それを大学生の被験者に実際に体験してもらい、その刺激に対する態度変容を実験室で再現するという手法を採用した。
本研究では同社の放送しているラジオショッピング番組の持つ説得効果 が外的妥当性を持ち、一般的に当てはめられるものであるかという事と、その説得効果 を規定する要因が何であるかという事について検証した。 本研究における主要な研究結果 は以下の通りである。

  1. ジャパネットたかたのラジオショッピングの持つ説得効果が、被験者のポジティブな態度変容によって実験室で再現出来た事。
  2. 被験者の態度変容を規定する要因として聴取時の関与レベルが影響を及ぼす事。
  3. 被験者の聴取時の関与レベルが高いほどポジティブな態度変容が起きやすい事。
  4. 静止画レベルの情報であれば商品に関する画像情報がなくても影響がない事。
  5. 商品評価において価格の持つ影響力が大きい事。
  6. 価格に関する情報が記憶に残りやすい事。
これらの実験結果により、ラジオショッピングの持つ説得効果 の有効性とその規定要因が確認された。

中央大学名誉教授。事業構想大学大学院客員教授、BBT大学院客員教授。日本マーケティング学会会長、日本消費者行動研究学会会長などを歴任。田中洋教授オフィシャルサイト Marketing, Brand, Advertising